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2021.10.14

今の時代だからこそできたオンライン留学

  • 短期留学
  • ニュージーランド

人間健康学部人間看護学科4年 S.M.さん

 私がSCCセミナーに参加した理由は、 “いつか英語が話せるようになりたい“という高校生のころからの夢を叶える何かがしたいと思ったからです。また、これまで、夢を抱いているだけで、実現できるようなことを何もしてきていなかったので、一歩でもその夢に近づけることができたらいいなと思ったからです。

 私は、ニュージーランドに留学するプログラムがあることを、1年生のころから知っていました。しかし、留学するには多大な費用がかかるため、海外留学に参加している友達を羨しく思いながら、私自身が海外留学に行くことはないなあ。と諦めていました。しかし、COVID-19の影響を受け、通常よりも少ない費用で、留学プログラムがオンラインで実施されると知ったので、私でも参加できる!と思い、参加しました。

 ニュージーランドがロックダウンに入ったものの、SCC現地スタッフのジェフさんやニコラさんが、自身の家をZoomをつかってツアーしてくれたり、家族や子どもさんたちと会話を交わすことができるようにしてくれたりと、私たちが他文化や英語に触れる機会を作ってくれました。また、ニュージーランドの実際の家庭内や現地で主流な、[1]シェアフラットにオンライン訪問することもできたので、生活スペースの広さの違いや、世帯構成員の違いなど、日本とは異なった生活環境が見られたので良かったです。

 毎日約50分間取り組んだQQEnglishのオンライン英会話では、英語を積極的に使う力と、英語を英語で説明する、理解する力が鍛えられました。日本で英語を勉強する際には、日本語が理解できる人にほとんどを頼ってしまっているので、海外に身を移した際に、英語で英語が理解できるよう、単語力の向上など、日本でできる準備をしっかりしておく必要があることがわかりました。

 プログラムの中で一番楽しみにしていた、伝統菓子のパブロバ作りでは、日本にいながら、ニュージーランドの味を体感することができました。はじめは、バニラの香りがして、口の中でジュワっととろけるような感動する美味しさでしたが、多くは食べられないほどの強烈な甘さだったので、学生みんなで悶絶しながら試食したことが思い出に残っています。

 食生活のことに関しては、モーニングティーという文化があることも学びました。これは、朝食と昼食の間のおやつタイムで、学校や仕事場でも、必ずする日常生活の一部であるというということを知り、とても驚きました。このような日本にはない生活スタイルや文化があること知り、看護学生としての視点では、世界各国に様々な生活スタイルがあることを把握しておくことが重要であると考えました。看護師は、入院している患者の、自然治癒力や回復能力を引き出し、促進するために、より自宅での生活に近づけた個別性あるケアを提供することが求められます。そのため、外国籍の患者が入院された際には、日本での主流な生活スタイルが基本であると思い込むのではなく、その国ではどのような生活スタイルが主流なのかを調べ、看護ケアに活かすことができたらいいなと思いました。

 そして、最も多くの時間をかけて取り組んだのが、最終日の英語プレゼンテーションの作成でした。私は、このオンライン留学中の様々なワークショップのなかで、ニュージーランドと日本の国籍を持っているカンタベリー大学の方が話してくださった「アイデンティティー」をテーマに選びました。大学生の私たちは、今まさに自分のアイデンティティーを探求し、確立していく時期にあるため、私自身がこの内容について深めたいと思ったのがこのテーマを選んだ理由です。そして、自身の考えや捉え方をプレゼンテーションという形で発信することで、他の学生や先生方とその考えを共有したり、他の学生が、自らのアイデンティティーに対する考えを持つきっかけになることができたらいいなと思い、取り組みました。

 作成時には、英語で内容を組み立てている自分がいることに気が付き、このオンライン留学に参加する前よりも成長していることを実感しました。プレゼンテーションで使用したパワーポイントのスライドに関しては、口語的な表現とは異なった、端的な内容と表現方法でまとめることを意識しました。英語で、口語的な表現と、スライド上の表現に違いを出すのは難しかったですが、日本語も流暢なカンタベリー大学JSOCの学生さんとZoomで直接意見交換をしたことで、私が言いたかったことをより伝えることができる英語表現も教えてもらい、納得のいくプレゼンテーションを作成することができました。

 プレゼンテーションを終えた後の感想としては、スライドには記載していない、言葉のみで話した部分に関するニュージーランドからの質問があったので、私の英語が伝わっていたということを実感することができて、とても嬉しかったです。

 今回のオンライン留学は、現地留学に行くことはできないという思いと、英語を話せるようになりたいという思いを持ち合わせていた私にとっては、日本にいながらできる貴重な国際交流だったと思います。そして、ニュージーランドの方々の優しさやフレンドリーさに触れて、ニュージーランドに行こう!と、行きたい国を明確にすることができました。
 オンライン留学は、世界的なパンデミックを背景にした、今の状況に即した形態だったと思うので、「私は日本でこんなことをしていたよ。」というように、いつかこの時の体験を、ニュージーランドで話せたらいいなと思います。

 
[1] *一軒家を人と家賃を分担して安く住むこと。
 

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