留学体験レポート
2022.10.15
韓国文化体験研修を終えて
- 短期留学
- 韓国
人間教育学部食物栄養学科3年 Mさん
1. 語学研修プログラム
8月8日から21日まで、韓国語や文化を学ぶため韓国の仁川大学の夏季研修に参加した。コロナの影響で、準備するものや検疫など今までとは違うところが多かったが、無事に仁川空港につき、空港に迎えに来てくれていた仁川大学の学生と合流した。そのまま、PCR検査を受け宿舎の説明などを受け1日目が終了した。
研修2日目には、オリエンテーションがあり、ここでバディーの韓国人学生や研修に参加している日本人学生全員が顔を合わせた。事前に班分けが行われており、近くのバイキングで、各班で昼食をとった。仁川大学の学生とは、日本語をなぜ勉強したのか、何が好きなのかなど色々な話をし、日本人学生同士では、なぜ韓国語を学ぼうと思ったのか、韓国文化の何に興味があるのかなどを話して楽しい時間を過ごした。
午後からは、韓国語の授業が始まった。韓国語の授業は、2日目、3日目目、4日目、8日目、9日目の午前と10日目に行われた。事前にレベル分けテストを受験しており、その結果決まったクラスで授業を受けることになった。今回は初級と中高級クラスの2クラスあり、私は中高級クラスの授業を受けたが、そこでは説明もすべて韓国語で行われた。3日目は午前のみ、4日目は、初めての1日授業の日だった。テキストを配ってもらい、それに沿って進めていく。先生が文法の説明をして、その文法を使って先生からの質問に答える、その後ワークを解くという流れで進む。この2週間で1冊仕上げることが目標のため、進捗スピードはとても早かった。8日目は、午前午後どちらも授業だった。私はハングルの読み書きできるため、中高級クラスを希望したが、聞き取りや文法などは苦手なため、全て韓国語で行われる授業は想像以上に大変だった。少しでも気を抜くと、すぐにわからなくなるからだ。ただ理解できることもあったため、面白く感じ韓国語勉強のモチベーションになった。9日目は午前中のみ授業だった。10日目は、最後の授業の日のため今までの復習を午前にしたあと、午後にテストを受け韓国語授業は終了した。
私はこの韓国研修で苦手だったリスニング力が上がったように思う。特に数字の聞き取りは行く前と行った後では、大きく変わったと実感できた。韓国の数字일(イル)と 이(イ)や、 삼(サム) と사(サ)など似ている音が多いように思うが、その聞き分けが後半になるにつれできていることに、自分でも驚いた。
2.文化体験・見学研修・自由時間
研修3日目は、見学研修が行われた。Gタワーに登りソンド(松島)の街を見渡したり、水上タクシーに乗ったりした。ソンドは、正式には「松島国際都市」といい、仁川空港に近く、経済自由都市に指定されているエリアで、外国企業の誘致を目指して新しく開発された地域である。近未来的な景観が観光でも注目されているということだった。少し天気が悪かったのが残念だったが、韓国に来て初めての野外活動だったので、街を見るだけでも楽しい気持ちになった。
5日目はロッテワールドに行った。ロッテワールドでは、アプリを使うことでファストパスのようなものが15分ごとにとれるのだが、先着順のため難しく、誰一人パスはゲットできなかった。この先着順システムは日本ではあまり見られないため、韓国らしさを感じた。1日楽しんだあと、バディーの学生と一緒にナッコプセという料理を食べに行った。ナッコプセは、プサンの伝統料理で、エビ・タコ・モツを辛く煮た料理だ。辛さのレベルが選べるため、得意な班と苦手な班と分かれて食べた。私は辛めのナッコプセを食べたのだが、程よい辛さで、ご飯が進む味でとても美味しく、副菜などもあるため、好きにトッピングして食べられたのも楽しかった。私的には韓国で食べた料理で一番好きな料理だ
6・7日目は自由時間のため、この研修で知り合った友達とソウル観光を楽しんだ。その中で驚いたことがあった。ホンデで洋服屋に入ったとき、店員がレジ前で、出前したものを食べていたからだ。日本では、客の前で店員が食事をすることはない。接客のマナーとしては、ありえないと考えられているからである。この光景に驚く一方で、これも韓国の文化なのかと思うと、これもまた面白かった。この2日は雨が降ることがあまりなく、比較的暑い日ではあったが、ソウルの街を見ながら歩くのは楽しく、2日とも1日中観光してまわった。
9日目は、午前の授業を受けたあとカリグラフィー体験をした。ポーチやライトに描くのだが、アンバランスにハングル文字を書いたりしていくのは難しかった。私は美術が苦手なので、講師の先生に助けてもらいながら完成させた。少しだが言いたいことが言えることに、楽しさを感じた。
11日目、ソウルの博物館で歴史について学んだあと、韓国の伝統衣装のハンボク(韓服)を着た。皆、好きな色柄のハンボクを選びインサドンの街並みで写真を撮り楽しんだ。町を歩いていると、地域の人が「イェップダ(きれいだよ)」と話しかけてくれてとても温かい気持ちになった。
12日目、ほとんどの人が明日の朝便で帰るため、2週間一緒に学んだ友達と過ごす最後の日だった。
昼食は全員で、プルコギを食べに行った。この2週間何度もあった何気ない昼食の時間だったが、会話も、すべてに寂しさを感じながら過ごした1日となった。いつ「また韓国に来ようか」「留学は何県に来るのか」「ならどこで集合しよう」といった話をして、また絶対会おうと約束し最終日が終わった。
13日目、帰国する人たちをバス停まで見送り、全体の韓国研修が終了した。私は便の関係で明日帰国のため、同じ明日帰国予定だった友達と最後のソウル観光をして最終日を過ごした。14日目、帰国の日となり、朝便の友達とタクシーにのり空港に向かったが、みんな寂しそうだった。
2週間という短い期間だったが、同じ文化が好きで同じ目的があり韓国にきていたため、すぐに打ち解け仲良くなることができた。ここで出会った韓国人・日本人の友達との思い出は、私の人生の大きな財産になったと思う。
3.研修を終えて
ここからは、私が韓国研修に参加した目的とそこで感じたことについて書こうと思う。
私が今回の韓国研修に参加した一番の目的は「韓国語を話してみたい」という思いがあったからだ。大学生に入ってから趣味で韓国語の勉強を始めたのだが、読み書きの練習はひとりでできても会話の練習はできないため、この研修でたくさん経験したいと思い応募した。
1人でソウルの街を散策したり、美容室に行ってみたりと少し勇気を出して韓国語を使わなければならない環境を作ったことで、目的の半分は達成できたように思う。街で出会う韓国人はとても親切で、私の拙い韓国語も一生懸命聞いてくれる温かさも感じることができた。だからこそ、怖がらずに韓国語で話してみようと思え、韓国語で会話をする機会も積極的に作ることができた。最近ではあまり見なくなったが、日本では韓国での反日活動や元慰安婦、元徴用工問題についての抗議デモなどのニュースが報道されていたりする。だがこの2週間、私はそのような日本人に対する反感や、日本への嫌悪感といった負の空気感を一切感じることがなかった。聞くことと見るものは違うと感じる機会だった。
自分の伝えたいことが韓国語で伝わっていることや、相手の話が理解できる瞬間は本当に面白く、語学学習の最大のモチベーションになった。またもっと韓国語の勉強をしたいと思うきっかけになった。今回は韓国文化の体験をしたが、私は今回の交流を通じて海外全体に興味を持つことができた。わたしは、今3年生なので、直近では就職活動で大きな選択をする機会がある。そのときに、今までなら海外という選択肢は出てこなかったが、今は海外という選択肢もありだと思う。また、いつか海外で生活をしてみたいとぼんやり持っていた夢を本当に叶えたいと強く思った。
たくさんの友達に出会い、文化や言語にふれ、決して旅行では感じることのない楽しさをたくさん味わうことができた。コロナ禍で制限が多かった大学時代に大きな思い出を作らせてくれた、仁川大学の先生や園田学園女子大学の先生、出会った学生のみんなに、心から感謝したい。